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−特別寄稿−「俺とファンタジーゾーン」



神谷 「えーと…それじゃ、「俺とファンタジーゾーン座談会」ってことで、高校時代、青春の全てをゲームに費やした切ない顔ぶれも久しぶりに揃ったし、早速ファンタジーゾーンについて語ろうぜ」
長沢 「なに版?」
神谷 「なに版でもいいよ。じゃあ…お前が好きなマークIII版からいくか? 俺、あれで初めてやったんだよな、ファンタジーゾーン」
ファンタジーゾーン マークIII版
長沢 「俺が貸したやつな。家庭用で最初に遊べたのがマークIII版だったっけ。あれは良く出来てたなぁ。特に中間色の再現!」
神谷 「あの淡い色彩こそファンタジーゾーンのウリだもんな。でも基地動かないんだよな。あとスーパー何とかトット? ボスも一部違うし。後でゲーセン版やって知ったんだけど。その辺りはファミコン版は頑張ってたな〜」
長沢 「ファミコン版にはあの中間色の味わいがないけどな」
神谷 「出た…セガ派ナガサー。でもファミコン版は基地が動くし、上下スクロールもするだろ? ボスもゲーセン版を頑張って移植してるぞ」
長沢 「後出しで良くなるのは当たり前だっての。マークIII版は最初にあれをやったから偉大なんだよ。あと中間色もな」
神谷 「おまえ中間色押すなぁ…。でもファミコン版はエンディングのラスタスクロールも再現してるんだぜ。それにサウンドテストのオマケまであるしな」
ファンタジーゾーン ファミコン版
長沢 「それならファンタジーゾーンIIを語ろうぜ。あれはやっぱりマークIII版だろ。お前もFM音源パック取ったり付けたりして、BGM聞き比べながらプレーしてたよな」
神谷 「グッ…。で、でもマークIIIには散々煮え湯を飲まされたんだよ俺は。特に、小遣いはたいて買って夏休みかけてクリアした「忍」…アレなんてお前、エンディングが―」
高木 「もうやめろって。こんなところでいつものファミコンVSマークIII論争おっ始めんなよ」
神谷 「うわっ お前、いつ来たんだ?」
高木 「いただろ、最初から! 大体ファミコン版のソフトは元々俺のだ。俺はファンタジーゾーンには特に思い入れはないけど、よく一緒にゲーセン行ったんだから語らせろ」
神谷 「ゲーセンかぁ…。初めてゲーセンでファンタジーゾーン遊んだの、カタクラモール3Fのナムコランドだったなぁ。グラフィックの綺麗さにも感動したけど、一番ビックリしたのは音楽! FM音源の重厚なサウンド…暫く聞き入ったよ。本当はこんな曲だったんだ!って。ショップの曲、2種類あんの!? とかさ。サントラも買ったなぁ」
長沢 「今回のコンプリートコレクションに収録されてる“システム16版ファンタジーゾーンII”って、当時もしもゲーセン版のIIが作られていたら、っていう仮想ソフトなんだろ? ある意味、夢を実現してくれたソフトだよな」
神谷 「だなー。やっぱりゲーセンこそファンタジーゾーン発祥の地だから、そこで続編が生まれてたら…ってのは誰もが思うことだけど、本来絶対叶わないifの話だからな。それが時を経て現実になるなんて…ウッ…俺泣きそうなんだけど」
高木 「PCエンジン版も中々オリジナルに忠実だったよな。音色は独特だったけど、ゲーセン版のゲーム性はそのままで。神谷、お前確か2組のトクに500円で売ってもらう約束してたのにトクが持ってくるの忘れたもんだから、2組で椅子蹴って暴れて帰ってきたんだよな(笑)」
神谷 「お前な…今回のコンプリートコレクションに入ってないやつの話するなよ。大人なんだから」
高木 「お前だってファミコン版の話してたじゃねえか!」
神谷 「ゲーセン版と言えば、駅前のキャロットのはUSA仕様でさ。ステージ始まる時に画面下に曲名が表示されたりとか、ちょっと違ってるんだよな。特にメロ入りになってるステージ5のHOT SNOWが最高! あれ聴きたくて、ちょっと高かったけどわざわざやりに行ったなぁ」
長沢 「キャロットは100円だったもんな。伊勢町通りのレディビートルは50円で遊べたけど」
神谷 「レディビはその代わり筐体のボタンがちっちゃくて押しにくくてさ。キャロットはマシンもよくメンテされてて遊びやすかったよな〜。難易度設定もちょっと低かったり。おしぼりも置いてあったし」
高木 「ゲーセン版なら、ウチでたっぷり遊べたぜ。X68000で」
神谷 「またお前か。コンプリートコレクションに入ってないやつの話はするなってのが分かんないのか? 自慢野郎」
高木 「おまえ、毎日ウチに入り浸って遊びまくってただろ!」
神谷 「結局、ゲーセンであんだけプレーしたのにノーミスクリア出来なくてさ。レディビでプレーして3周目2面まで行ったのが最高記録なんだけど、必ずラスボスでミスってた」
長沢 「あのボスか。相当正確なレバー操作が要求されるからな。…そう言えば、スゲェゲーム上手い奴いたよな。いつもレディビに入り浸ってた小さい奴。ブッシュって言ったっけ?」
高木 「いたいた! やたら店員と仲良くて、いつの間にか自分が店員になってた奴な」
神谷 「ブッシュかぁ…。ラスボスをノーミスで倒すところ、アイツのプレーで初めて見たんだよ…あれは今でも目に焼き付いてる」
長沢 「でもハメ技あるぞ、ラスボス」
神谷 「俺はそーゆーのに頼らないの。お前すぐに雑誌とかで調べるからな〜。井上の本屋でゲーメスト立ち読みして、グラディウスの2周目のザブの出現パターン丸暗記するし」
長沢 「3日間本屋に通い詰めて、ドルアーガの塔の宝箱の出し方全部覚えたお前には言われたくないな…」
高木 「あとさ、あの話はしなくていいのか? ホラ、いつまでも発売予定ソフトのところに名前が載ってて、結局発売されなかったスペース―」
長沢 「高木、お前この座談会にいなかった事にされるぞ」
神谷 「ちょっと前なんだけど、ゲーセンの“レトロゲームコーナー”でファンタジーゾーン見つけて、久しぶりにプレーしてみたんだよ。そしたら体がちゃんと覚えててさ、ノーミスでガンガン進んで…それで、そのままラスボスをノーミスで撃破! もう積年の恨みを晴らしたというか、喉の小骨が取れたというか、やっと高校時代の夏休みの宿題が終わったというか…。体が暫く震えてたよ、感動で。」
長沢 「執念だな。その調子で勉強したら高校入試も失敗しなかっただろうに」
神谷 「サターン版が出たらパワーメモリーと一緒に買ったり、ケータイ版ダウンロードしたり、最近じゃバーチャルコンソールでマークIII版買ったり…。やっぱりさ、ファンタジーゾーンって、語っても語り尽せない特別なゲームだよな。これからの人生、何かファンタジーゾーン関連のソフトが出るたびに、絶対買い集めちゃうと思うんだよ、俺」
高木 「でもセガエイジス2500で最初に出たやつは買わなかったじゃん。何で?」
神谷 「…お前、まだいたのかよ。ファンタジーゾーンに思い入れのない奴は帰れっての」
高木 「ここ俺ん家だろ!」

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