長らくお待たせしました。３２作目のセガエイジス２５００、『ファンタシースター　コンプリートコレクション』です。 本作は色々な試行錯誤と努力と挫折を経て、結果として非常にシンプル・最低限な内容となりましたが、これまでのすべてのセガエイジス２５００シリーズでもっともボリュームのあるソフトとなっております。 オリジナル版が４作、それぞれの海外版がさらに４作、テキストアドベンチャーが８作。そして隠し（後日紹介します）２作。計１８本はVol.29『モンスターワールド』の全１６本を越えた数です。しかもその半分はＲＰＧですので、普通に遊べば１ヶ月でもクリアできないボリュームになっております。 オリジナルをリアルタイムで遊んだ方々は恐らく年齢も30代以上。それだけのゲームプレイ時間を確保するのは難しいだろうということもありまして、今回は大胆に難易度のイージーモードを追加しました。すべての設定項目をオンにすれば、らくらくプレイ（あくまでオリジナル版と比較してですが）が可能ですので、かつて遊んだことのある人はこれでイベント行脚の旅をおくる事もできるでしょう。 ただし、できれば一度はオリジナル版そのままでのプレイを味わっていただければと思います。快適モードを搭載しておいてこんなことをいうのもなんですが、ＲＰＧは世界観やキャラクター、物語だけではなく、バランスを含めたテンポまで含めてひとつの作品です。本物の良さにこだわるならば、できるだけ当時のままのバランスを味わっていただきたいのです。 ダンジョンについては今回いっさい手を加えておりません。昨今再評価されつつあるダンジョン探索の面白さ（苦しさ）ですが、『ファンタシースター』シリーズが出たばかりの80年代は、ダンジョン探索は苦しいのが当たり前。開発スタッフはプレイヤーへ「解けない」マップを作って挑戦していた時代でした。 今でこそインターネットを使えば、多くのファンサイトの皆さんの親切な攻略法が見つかると思いますが、方眼紙を買ってきて自分でダンジョンマップを作る楽しさも格別です。マニュアル内に復刻した、当時は折り込みだった「世界地図」など、ゲームを映すモニタの外に広がる攻略を是非楽しんでいただければと思います。 さて最後にちょっとだけ次回作のお話も。いよいよ『ファンタジーゾーンII』の登場です。現在、システム１６基板上で開発中バージョンが動いております。「なんちゃって」システム１６ではなく、本物の新作。最後のタイトル『登龍門』がリリースされてから１３年経って、よもや新作をつくるとは誰が予想し得たでしょうか。 この「オリジナル版」を完成させてからＰＳ２に移植するんですが、システム１６の機能を最大限に使いすぎて、これまでのエミュレータでは動かなくなってしまったので、こちらの改良も並行しております。 なんでこんな遠回りをしているのか、する必要があるのか。よくわかるようなよくわからないような。ともかく年内には発売したいと思っております。引き続き酔狂なこのプロジェクトにもう少しだけお付き合い下さい。 よろしくお願いします。 【セガエイジス２５００シリーズ開発チーム】